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TOP > 更新情報 > 【独自調査】鑑賞者は『君たちはどう生きるか』NO宣伝戦略をどう思ったか
コラム 2023年8月8日

【独自調査】鑑賞者は『君たちはどう生きるか』NO宣伝戦略をどう思ったか

スタジオジブリの宮崎駿監督、10年ぶりの最新作となる『君たちはどう生きるか』が大ヒット上映中です。
事前に明かされたのはポスタービジュアル1枚をのみで、声優も主題歌も予告編も発表しない、公開前の宣伝を一切行わない異例のプロモーションが話題となりました。にも関わらず8/7時点で当作品の累計成績は動員361万人、興収54億円を超え、華々しい成績を収めています。

サンライズ社では公開から27日までの2週間の間に鑑賞した方に対して『君たちはどう生きるか』をどのように知ったのか、今回の宣伝戦略をどう考えたかについてアンケートを実施しました。鑑賞者の声を見ていきましょう。
(調査手法:インターネット調査 対象者:東京在住の作品鑑賞者89名)

作品の事はSNSと口コミで知った人が多数

まず、宣伝がない中でどこから『君たちはどう生きるか』を知ったのか。「Twitter(X)」と「知人・家族からの口コミ」、「TVやラジオなどのメディア」との回答が上位を占めています。TVやラジオではCMは流れていませんが、番組で取り上げられて目にした人は多かったようです。
SNSの中ではTwitter(X)が頭ひとつ抜けています。TikTok、Instagramに比べても、その関心の高さは圧倒的ですね。Twitter(X)では映画公開前に『君たちはどう生きるか』のポスターを二次創作した画像がたくさん投稿されており、ムーブメントが出来上がっていたことが、鑑賞動機に繋がったのかもしれません。

 

圧倒的なジブリのブランドパワー。内容は見えずともファンが集まる

内容が一切わからない状態で公開日を迎えた『君たちはどう生きるか』ですが、公開後も内容についてのリリースはほとんどされていません。パンフレットの販売も公開と同時発売ではなく後日となっており、徹底したネタバレ防止対策が行われています。

今作品を観ることを決めた理由を尋ねたところ、なんと全体の6割が「ジブリ作品・宮崎駿監督ファンだから」という結果となりました。スタジオジブリのブランド力の高さがうかがえる結果ですね。
作品のテーマや内容が興味深かったから、口コミやニュース・SNSを見て鑑賞を決定した方も多く、限られた評判を待ってから観に行った層もかなりいるようです。
通常は上位にきてもおかしくない豪華声優キャストや、主題歌を目当てに行った層はごく限られていたようです。

 

映画の「情報公開一切なし」はあり?なし?

『君たちはどう生きるか』の予告編なし・宣伝なしの戦略は、実際に映画まで足を運んだ鑑賞者にはどう受け止められたのでしょうか?
今回、当作品が宣伝や事前情報の公開が一切なかったことについての意見を一部ご紹介します。

 

今回の当社のアンケートでは全体的に賛同するポジティブなコメントが上回り、試みを評価している鑑賞者が多い結果となりました。肯定派は「先入観なしで観られる」ことを高評価した方が多く、消極派は「観終わった後も感想を話しづらい」などと、ここまでしなくてもよかったのではと考えている方が多いようです。コメントにもあるように、当作品を子供に見せていいものかという問合せは実際映画館にも寄せられているそうです。
中立派には「宮崎駿監督やジブリの知名度があるからできること」という意見もありました。

通常の作品では映画館やSNSなどでかなり早い段階で予告編が公開されます。公開が近づくにつれて、各種映画サイトにあらすじが載ったり、キャストや監督のインタビューなどが掲載されます。試写会で観た評論家やユーザーレビューが公開日前に表に出てくることも少なくありません。決定的なネタバレはなくとも、「何も知らずにフラットな目線で観る」ことは難しい時代ともいえます。むしろ若者世代の中ではあえてネタバレを見てから鑑賞するといった動きもあると聞きます。

賛否両論はいろいろありますが、全く情報に触れないまま映画鑑賞をするのはこの時代にあって新鮮な体験だったに違いありません。今後の宣伝プロモーションで「どこまでネタバレするか」は業界でも検討する余地がありそうです。

8月11日より劇場で作品パンフレットが発売開始されることが決定しました。徐々に内容についても解禁の空気になっていくのではないでしょうか。
映画をご覧になった方も、これから観ようと思っている方も『君たちはどう生きるか』のNO宣伝戦略をどう考えますか?

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