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コラム 2020年6月25日

【特別コラム】ウィズコロナ時代の『映画館の価値』を再考してみた

以前よりも混雑は減ったものの、街中にもかなりの人出が戻ってきました。

映画館が再開し、6月12日にはアカデミー賞も受賞した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が公開されるなど、徐々に活気を取り戻しつつあります。

しかし、ソーシャルディスタンスによる座席数を減らした予約、大作の延期など、苦境はまだまだ続きそうです。映画館業界は、映画館は興行法により換気がなされており、予約も席をとばすなど3密ではない状態になるよう工夫して対応しています。

アフターコロナではなく、コロナと共にある「ウィズコロナ」の時期がしばらく続くことになります。

外出要請自粛の中、映画館での上映ではなく配信での公開を行う作品も出てきました。きっと、外出自粛の間にこうしたサブスクリプションの動画配信サービスを利用し始めた方も多いでしょう。

単にコンテンツとしての映画を楽しむだけなら「配信サービスで観てもいいかな?」「サブスクの方がお得じゃない?」と思う方もいるかもしれません。

だけど、少し待ってみてください。映画館で観るからこその価値もあるのではないでしょうか?

今回は、そんな「映画館という場所の価値」について、ちょっとした筆者なりの考えを書いていこうとおもいます。

 

映画館だからこその「その場の体験」がある

先日、映画館上映再開と聞いて、とある劇場で復活上映していた『クリード』シリーズを観に行きました。

ストーリーのネタバレになりますので、詳しく言及することは避けますが、上映後一緒に出てきた40代らしき男性とその父親らしき2人組客がこんな会話をしているのを聞いたのです。

息子「どうだった?」

父「いやあ、よかったね、驚いたね、こんなにいいとはね」

息子「そうだろ?」

きっと『クリード』の内容をご存知の方なら「父と息子」のこの会話に、ぐっときてしまった理由がわかるはずです。

その親子は、過去ロッキーシリーズの話で楽しげに盛り上がりながら去っていきました。

映画館は、見知らぬ人が集まって、一つのスクリーンで作品を共有できる空間。

しかしたら、過去には『ロッキー』シリーズを父親今度が息子を連れて、映画館に観に行っていたのかもしれません。父親の方は『ロッキー』シリーズが一旦終わったことで『クリード』に興味をもっていなかったけれど、息子の方が「復刻上映というきっかけ」を使って続編である『クリード』を父親に勧めた。そんなドラマが、この二人の間にあったのかもしれませんね。あくまでこれは筆者の想像ですが、そんな思わぬ「映画を観た人側のドラマ」が垣間見えるのが、楽しい映画館体験のひとつです。

映画館は、そういう「機会」を作る場所だと思っています。そして、そういう見知らぬ人の「機会に触れる」場所でもあります。

 

映画館は「機会」や「きっかけ」の場所

いい映画を観た後、自分と同じような感想を語っている人を見るとなんだかうれしくなる、そんな経験はきっと誰にでもあるのではないでしょうか?

筆者は映画館のない田舎育ちなので古い映画はあまり観たことがなく、映画館再開と共に復刻上映された「ショーシャンクの空に」を、友達が「おすすめだから、せっかくだし一緒に観に行こう!」と誘ってくれました。友人はDVDで何度もみているけど、私は初めて。観終わった後、ファミレスで私が初見の感想を聞かせたり、何度も観ている友人の見どころを聞かせてもらったり、そんなちょっと特別な1日になりました。映画は誰かといっしょにでかける「きっかけの場」です。

ひとりで映画館に行った時も、上映中に笑いどころや泣き所のツボが他の客とちがったり、逆に周囲につられて笑ったり泣いてしまったなんてことはありませんか?

終わった後に見知らぬ人たちが口々に感想を言ったり、そんな「誰かとの体験を共有する感」を得られる「機会の場」でもあるのではないでしょうか。

 

アフターコロナでは、映画は家で楽しめばいい?

確かに、今では様々な配信サービスが充実しています。月額制でいくらでも観られます。

コロナ以降は、新作映画でもDVDやBlu-ray発売前に先行配信を行うケースも増えました。中には映画館上映からネット配信へと切り替える作品も出ています。

コンテンツを楽しむ、という意味ではネット配信でも十分なのかもしれません。端末は画質も音質も、どんどん向上していきます。場所も時間も選びません。

ただ、配信コンテンツを楽しむのは基本的に「個人の娯楽」です。選択肢は幅広いですが「これを機会になにかをしようというきっかけ」にはなりにくいのではないでしょうか?

 

映画館での映画体験で得られるもの

映画館という場所は必ずしも「観たいコンテンツがあるから行く」とは限りません。たとえば、たまたま金曜日の夜にゆっくりしたかったから、サービスデーでお得だったので何となく、そんな理由でも気軽に行ける場所です。

そして、一緒にみた相手との思い出た、複数の人たちと同じコンテンツを同じ空間で共有した思い出は、その場にいなければ得られないある種の「ライブ感」がある体験となります。これは配信コンテンツでは得られないものではないでしょうか?

たとえば、いくらインターネットで美しい名所の写真や動画の数々を見ても、実際に旅行に行ったらその場の空気や温度、天気、一緒に行った相手などでその印象や思い出は大きく変わることでしょう。映画館でも、それと同じことがいえるのではないでしょうか?

ネットのコンテンツが発展を続ける今だからこそ、「映画館で観るという価値」について、改めて考えてみませんか?

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