
日本の都心部を歩くと、以前にも増して多くの外国語が聞こえてくるようになりました。円安の影響もあり、2024年の訪日外国人客数は過去最高を更新。アメリカからの旅行者数もアジア諸国に次いで上位となり、その存在感が増しています。
実は私、この夏に個人的にアメリカへ旅行をしてきました。そこで「日本から来た」と伝えると、多くの人が「いつか行ってみたい!」と目を輝かせてくれます。中には「今度日本に行くんだ!アニメが好きで!」と、『ONE PIECE』の推しキャラを熱弁してくれるお兄さんにも出会いました。
肌感覚としてだけでなく、数字や現地の映画事情からも、今アメリカでは日本の”ANIME”が確固たる地位を築いています。今回は、映画大国アメリカの市場概況と、そこで起きている日本作品の躍進について紐解いていきます。
世界のエンタメを牽引するアメリカ映画市場
アメリカと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはり「ハリウッド」や「ディズニー」でしょう。2024年の調査によると、アメリカ・カナダ(北米市場)は、世界の映画興行収入の約6割〜7割を占めると言われ、世界一の興行収入を記録する巨大市場です。世界中の映画人がこの地での成功を夢見る、まさに「映画の聖地」と言えます。
2024年のアメリカ国内興行収入ランキングを見ても、上位のほとんどをアメリカ国内のスタジオ作品が占めています。なんと上位70位まですべてアメリカ国内のスタジオ作品でした。ちなみに71位は『鬼滅の刃 柱稽古編』でした。(The Numbersに基づくサンライズ社調べ)
街を歩けば、巨大なビルボード広告や、映画とコラボした商品パッケージが日常に溶け込んでおり、映画が「生活の一部」として根付いていることを実感します。
▼街中の「エイリアン:アース」の広告

歴史と規模が共存する映画館文化
アメリカが「映画大国」と呼ばれる所以は、その圧倒的なインフラと国民のライフスタイルに表れています。 まず、劇場の「数」を見てみましょう。世界には約20万以上のスクリーンがあると言われていますが、そのうちの約2割にあたる4万スクリーン以上が北米(アメリカ・カナダ)に集中しています。
■全米3大映画館チェーンの規模(2024年時点)
アメリカの興行界を牽引する3大チェーンの規模は、日本のそれとは桁違いです。 特にAMCは世界最大の興行会社として知られ、圧倒的なネットワークを誇ります。

■日本人の約2倍? 映画館に行く頻度
「映画館に行く」という行為の日常度も、日米では異なります。 年間一人当たりの映画鑑賞本数を比較すると、日本が平均約1.2回であるのに対し、アメリカは平均約2.0回以上(2023年統計に基づく推計)。 アメリカ人にとって映画館は、特別なイベントであると同時に、「週末の気軽な遊び場」として深く定着していることがわかります。
さらに特筆すべきは、IMAXやDolby Cinema、4DXといった「プレミアムラージフォーマット(PLF)」への課金意欲の高さです。
「せっかく見るなら最高の環境で」と、追加料金を払ってでもリッチな体験を選ぶ傾向が強く、「観客が高い集中力を持ってスクリーンに向き合っている」ということを意味するのではないでしょうか。
なぜ今、アメリカで “ANIME” が熱いのか?
かつては「サブカルチャー」の一部だった日本のアニメは、今やアメリカのエンタメ産業において「メインストリーム」の一角を担いつつあります。
1. 興行ランキング常連への進化
先ほどアメリカ国内の興行収入ランキングはほとんどアメリカ国内スタジオ作品が占めていることを紹介しましたが、この強固なランキングの中に、近年「異変」が起きていることにお気づきでしょうか。
象徴的だったのは、昨年のアカデミー賞での快挙でしょう。『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を、『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞し、日本の映像技術とストーリーテリングが世界最高峰の舞台で認められました。 この流れは現在も続いており、2025年の興行収入ランキングでは『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が上位に食い込むなど、大作ハリウッド映画と肩を並べています。現地の劇場では、公開初日にキャラクターのコスプレをしたファンが長蛇の列を作り、スタッフまでもが法被を着て盛り上げるなど、その熱狂ぶりは日本以上かもしれません。
2. データで見る「市場の逆転」
この体感は数字にも表れています。日本動画協会が発表した「アニメ産業レポート」によると、2023年の時点で日本のアニメ産業の海外市場規模は約1兆7000億円に達し、ついに国内市場規模を上回りました。10年前と比較すると約6倍という驚異的な成長です。(一般社団法人日本動画協会 アニメ産業レポート2024より)
3. 「配信」が作った土台
このブームを支えているのが、ストリーミングサービスの普及です。ソニーグループが運営するアニメ専門配信サービス「Crunchyroll(クランチロール)」の有料会員数は、2024年に世界で1,500万人を突破しました。 以前は「知る人ぞ知る」存在だった作品も、配信を通じてタイムラグなくアメリカの若者に届くようになり、そこから劇場へ足を運ぶという強力なエコシステムが出来上がっているのです。
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