MENU
  • CONTACT
  • DOWNLOAD
MENU
CLOSE
INFORMATION 更新情報
TOP > 更新情報 > あなたの街の映画館に、どうやって映画は届く?【興行会社編】
コラム 2025年11月12日

あなたの街の映画館に、どうやって映画は届く?【興行会社編】

前回10月のコラムでは、配給会社は映画の「製作」から「鑑賞」までをつなぐ、映画文化の広がりを支える不可欠な存在であることを解説しました。
しかし、配給会社がどれだけ素晴らしい作品を買い付け、巧みに宣伝しても、それだけでは映画は私たちの元に届きません。
配給会社が映画の上映権の買い付けを行った後、そのバトンを受け取って実際に映画館で映画を上映するのが「興行会社」の役割です。

今回のコラムでは、興行会社とは具体的に何をしているのか? 配給会社との連携を経て、最高の映画体験が生まれるまでの舞台裏を解説していきます!

 

映画体験の入り口を創る「興行会社」の存在

突然ですが、いま国内に映画館がどれくらいあるかご存じですか?

 

2024年現在、全国にその数なんと…578館あります!
都道府県別スクリーン数(sc)で見ると、1位が東京都で412sc、2位が愛知県で266sc、3位が大阪府で241scとなります。
人口では愛知県が約746万人、大阪府が約877万人と大阪府の方が多いですが、スクリーンは愛知県の方が多いんですね…!

この全国に広がる「映画館」というインフラを管理・運営し、観客の皆様に映画を届けるのが興行会社です。
しかし、この「届ける」というプロセスには、私たちが想像する以上に高度な戦略とホスピタリティが詰まっています。

 

感動の映画体験を完成させる「興行会社」

興行会社は、映画の上映だけに留まらず、上映環境の整備からイベント・プロモーションの企画まで、多角的な施策を展開します。

▶ブッキング(番組・コンテンツ編成)
興行会社の最も戦略的な仕事が、チェーンごとに有しているスクリーンをどう使うかを決める「ブッキング(番組・コンテンツ編成)」です。
配給会社から「この映画を上映してほしい!」と要請があっても、興行会社は単に空きがあるから上映するわけではありません。
映画の中から、地域の特性や客層、競合作品の公開状況を分析し、劇場で上映する作品を最終決定します。さらに、時間帯・客層に応じて作品の配置を緻密に調整します。興行会社は、高度な市場予測と経営判断をもって、映画という商品を最大限に活かす「現場の戦略家」なのです!

▶劇場運営
観客が日常から離れて映画世界に没入するための「舞台」を整える、非常に重要な役割を担っています。 
劇場運営の現場では、ボックス、フロア、コンセッション、ストアの各部門に分かれます。

ボックス
チケット販売およびインフォメーション業務を担います。座席の予約・各種手続き、料金案内や問合せ対応など、お客様の最初の窓口となる部門です。
チケット販売のみならず、お客様からの様々なお問合せにも柔軟に対応するため劇場のことをすべて把握しなくてはならない、まさに映画館の顔役です。
ちなみに、チケット券売所をボックスオフィスと呼ぶそうです。恥ずかしながら私はこの業界に入って2年目で初めてその呼び名を知りました…。

フロア
館内案内、宣伝素材管理、清掃など、館内全般の環境整備とサポートを行います。お客様からの問い合わせにも対応しながらスムーズにシアターへご案内し、上映前後の清掃、ポスターやチラシなど宣伝素材の掲示・管理を行います。徹底的な清掃によって常に快適な鑑賞環境が維持されています。

コンセッション
映画鑑賞に欠かせない
飲食(フード&ドリンク)の提供を行います。最近では、映画や企業とのコラボ商品など、常に新しい楽しみ方が生まれており、体験を彩る「味」の演出に工夫が凝らされています。どの商品がよく売れているか、どんな客層が購入しているかといった、劇場に訪れる観客の消費動向に関する情報収集を行う重要な役割も担っています。販売を行いながらも情報収集を欠かさず、次のヒット商品開発や地域・客層に合わせた商品ラインナップの最適化へとつなげています。

ストア
パンフレットや映画関連グッズの販売を担います。商品の陳列、在庫管理、発注を行い、限定グッズの販売などを通じて、観客の感動を「思い出」として形に残すサポートをします。グッズ売り場に独自の販促POPを掲出したりグッズの陳列を試行錯誤したりなど劇場によって様々な工夫がなされているのを見るのも楽しいですよね。

さらには、上映作品ラインナップに基づき、各スクリーンと時間帯を割り当てる上映スケジュールの作成を行ったり、 映像・音響設備の管理・メンテナンスなど上映品質の維持に不可欠なバックヤード業務も担っています。
私たちが映画館で快適に楽しめるよう、劇場の至る所にお客様目線のホスピタリティが施されています。


 

▶イベント・物販企画
舞台挨拶、ライブビューイング(中継)、声出し可能な「応援上映」、過去の名作を再上映する特集など、観客の熱狂や一体感を生み出すためのイベントを企画・実施します。また、映画作品のパンフレットをはじめ、上映劇場でしか販売しないグッズを含めた様々な映画作品関連の商品も手掛けています。

▶シアタープロモーション(シネアド/映画館プロモーション)
映画館は映画鑑賞の場所だけでなく、幅広い世代のお客様が集まる魅力的なプロモーションメディアとしての機能を持ちます。大迫力のスクリーンを活用した動画広告(シネアド)や劇場を活用したプロモーション施策が実現できます。

 

このように興行会社は緻密な戦略と観客ファーストのホスピタリティの両方を兼ね備えた、映画文化を支える立役者なのです。彼らの存在があるからこそ、私たちはいつでも、最新の技術と非日常な雰囲気の中で、世界中の感動と出会うことができるのです。

そして、9月のコラムでも触れた通り、2025年は日本の映画界全体が大きな活気であふれています。
2026年も注目映画が多数控えており、この活気に満ちた流れがどこまで続くのか期待が高まります!

CONTACT
シネアド、映画館プロモーションに関することなど、お気軽にお問い合わせください。