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TOP > 更新情報 > あなたの街の映画館に、どうやって映画は届く?【配給会社編】
コラム 2025年10月2日

あなたの街の映画館に、どうやって映画は届く?【配給会社編】

日本の映画業界に大きなニュースが飛び込んできました。
東宝は9月18日、米映画会社ワーナー・ブラザースが扱う洋画作品の国内配給を2026年から始めると発表し、映画業界に大きな衝撃を与えました。
東宝の子会社で洋画配給を手掛ける東宝東和が合意し、日本国内で公開されるワーナー・ブラザースの洋画作品は全て東宝グループが配給することになります。

ハリウッドの主要な映画会社は、ウォルト・ディズニー・スタジオ、ソニー・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、ユニバーサル・スタジオ、ワーナー・ブラザースがあり、この5社を指して「ビッグ5」と呼ばれることもあります。
日本国内では、ディズニー、ソニーの作品を各現地法人(支社)が配給し、ユニバーサル・ピクチャーズ作品を東宝東和が、パラマウント・ピクチャーズ作品を東和ピクチャーズが配給しており、さらに今回ワーナー・ブラザースが東宝グループに加わることになります。日本では、一部のワーナー・ブラザース洋画作品が劇場公開されないケースもあり、今回の再編によって今後目にする機会が増えてくるのか注目ですね。

(余談ですが、現在「ビッグ5」と呼ばれているハリウッドの配給会社、実は2019年頃までは「ビッグ6」だったのをご存じですか?
以前は「アバター」や「タイタニック」で知られる20世紀FOXが含まれていましたが、2019年にディズニーの傘下になることでビッグ6から外れることになりました。)

これほど多くの大作映画の窓口となる「配給会社」とは、そもそもどのような役割を担い、映画が観客に届くまでにどんな仕事をしているのでしょうか?

今回のコラムでは、「そもそも配給会社とは何か?」その役割と重要性について解説していきます!

 

映画文化の広がりを支える「配給会社」


映画が私たちの目に届くまでの流れは、製作・配給・興行の3つのステップに分かれています。
このうち配給会社は、映画製作会社と興行会社の間に立ち、映画を観客に届けるための流通・マーケティングの役割を果たすため、その業務は多岐にわたります。

▶映画の上映権の買い付け
国内外の製作会社が作った映画の日本での上映権を買い取ります。映画のクオリティや内容、流行や観客のニーズ、過去の興行成績など様々な情報を取り入れて映画を選び抜く知識とセンスが求められます。

▶劇場の選定と交渉
次に映画館を運営する興行会社に対し、映画を上映してもらうための交渉を行います。全国に数多くの映画館がありますが、すべての劇場で公開されるわけではありません。映画のターゲット層や同時期公開の作品とのバランスを見ながら、どの映画館で、いつから、どれくらいの期間上映するか、何スクリーン使うかなど興行成績にも直結する重要な交渉を行います。

▶映画の宣伝・マーケティング
最後に映画の魅力を最大限に引き出し、観客に「見たい!」と思わせるための宣伝活動を仕掛けます。テレビCMやポスター、予告編、SNSでの情報発信、そして出演者のメディア出演など映画の命運を左右する重要な業務です。

さらに邦画配給の場合は、製作委員会に参画して企画の段階から関わっていたり、作品への出資を行ったりもしています。
このように、配給会社は映画の「製作」から「鑑賞」までをつなぐ、映画文化の広がりを支える不可欠な存在です。

配給体制強化でどう変わる?今後のワーナー映画に高まる期待

ワーナー・ブラザースが東宝東和に配給を委託したのは、まさにこの「劇場の選定と交渉」、「宣伝・マーケティング」における東宝グループの強みに期待した結果と言えるでしょう。
国内市場に精通した東宝グループのノウハウを活用することで、より戦略的・効果的にワーナー作品を多くの観客に届ける体制が強化されます。
この強力なタッグにより、今後のワーナー映画がどのように展開されていくのか、ますます楽しみになりますね。

次回は、映画館を運営する「興行会社」とは何か、そして配給会社と興行会社がどのように連携して私たちの元に映画が届けられるのかについて解説します。

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