シンガポールと聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
近代的な高層ビル群や多国籍な食文化、マリーナベイ・サンズのような煌びやかな観光スポットが浮かびますね。
そんなシンガポールですが、映画館は重要な娯楽施設となっています。
シンガポールは高温多湿な気候で、年間を通して気温が高く、スコールも頻繁に降るため、屋内で快適に過ごせる娯楽施設が欠かせません。映画館は、涼しい冷房の効いた空間で、数時間を快適に過ごせる貴重な場所なのです。
またシンガポールは多文化社会であり、ハリウッド大作はもちろん、アジア各国の映画も幅広く上映され、多様な言語や文化背景を持つ人々がそれぞれの好みに合った映画を楽しむことができます。
では多文化が共生するシンガポールの映画館では、どのようなシネアドが流れているのでしょうか。
今回視察に行った映画館では、生命保険や金融、ECプラットフォームなど日本ではあまり見かけない業種がシネアドを流していました。
日本と異なる点として、①予告と予告の間にシネアドが入っている、②映画本編開始前もシアター内が暗い点が挙げられます。
映画開始前から没入感満載なのですが、暗闇のなか座席にたどり着くのは一苦労かもしれません。
ここからは、シンガポールを代表する映画館チェーンの最新の映画館事情をご紹介していきます!
シンガポールで映画を観るなら…?
①最多の館数を誇る「Golden Village(ゴールデン・ヴィレッジ)」
シンガポール最大の映画館チェーンといえば、Golden Village(ゴールデン・ヴィレッジ)。
話題の映画を上映するだけでなく、ライブビューイングやeスポーツ大会、ファンミーティング、さらにはカンファレンスやバーチャルミーティングまで、まさに映画の枠を超えたエンターテイメントを提供しています。また、ラグジュアリーな映画体験ができる「ゴールドクラス」があり、コンシェルジュに飲み物をオーダーしながら、リクライニングチェアでくつろいで映画鑑賞することができるようです。
今回視察したのは、マーライオン公園から車でおおよそ10分のGolden Villageサンテックシティ店。
映画館に入って驚いたのは、シアター入場口が無人ということです!鑑賞チケットに記載されたQRコードを機会にかざして入場という流れでした。
②郊外に多く展開「Cathay Cineplexes(キャセイ・シネプレックス)」
続いては、Cathay Cineplexes(キャセイ・シネプレックス)。主に郊外型のシネマコンプレックスとして長く親しまれています。クレメンティ321店にある「プラチナ・ムービー・スイート」は贅沢な革張りのリクライニングシートで、ゆったりとした足元スペースと座席に備え付けられたテーブルが特徴。さらに、Dolby Atmosも導入されているので、映像だけでなく音響面でも圧倒的な没入感を体験できます。
Cathay Cineplexesクレメンティ321店は、洗練された落ち着いたロビーで館内も全体的に暗めでした。
この辺りで気付いたのですが、どこの映画館にも紙のチラシがないのです!映画のビジュアルや広告もデジタル化が進んでいるようです。
③最先端のIMAX体験と極上のプレミア鑑賞「Shaw Theatres(ショウ シアターズ)」
最後に紹介するのは、Shaw Theatres(ショー・シアターズ)。シンガポールの中心部に構える「ショー・シアターズ・リド」ではシンガポールで初めてIMAXデジタルシアターシステムを導入。さらに、一部劇場では「ショー・シアターズ・ルミエール」という、最先端のDTS:Xシネマサウンドテクノロジーとリクライニングシートを兼ね備えており、座席に備え付けられた個別のUSB充電ポートで電子機器を充電することが出来るとか…!映画を楽しみながらスマホの充電もできるのは一石二鳥ですね!
ショー・シアターズ・リドのロビーには、パナソニック製のスーパービデオスクリーンと、さらに映画作品の切り絵のような装飾がずらり…!映画好きにはたまらない装飾ですね…!
シンガポールの映画館は、日本にとって新たな可能性…?
シンガポールを訪れてまず感じたのは、日本企業が多いことです。
GVサンテックシティ店が同居する複合施設のサンテックシティモールではすき屋、星乃珈琲店、ウェルシアが展開していたり、シンガポール中心部に高島屋や伊勢丹といった日本おなじみの企業が数多く進出しています。シンガポールは日本企業にとって重要な市場であることを物語っていますよね。
また、シンガポールでは日本映画も人気が高く、2025年は『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章』や『果てしなきスカーレット』などが公開予定と日本作品の支持を集めています。
そんなシンガポールの映画館で展開されるシネアドは、日本企業にとってブランドイメージを強化する非常に効果的なプロモーションとして可能性を秘めているのかもしれません。