11月9日に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』は、記録的な大ヒットとなり、現在も記録を伸ばし続ける快進撃を続けています。
この作品は伝説的ロックバンド「クィーン」の伝記映画ですが、「クィーン」のファンだった世代はもちろん、リアルタイムで活躍していたころの「クィーン」を知らない若い世代にも広く受け入れられています。
シネアド業界ならではの動員の見方とは?
シネアドを取り扱う以上、私たちにとって映画がヒットするかどうかは当然気になること。
私たちが映画のヒット状況を確認する場合は、基本的に初動2週間の動員数を気にします。これは、シネアドが、「作品の公開初日から2週間」で販売されることが多いからです。シネアドがどれくらい観てもらえるか、公開初日からの週末3日間と、上映後2週間の動員数でチェックするわけですね。
実はこのシネアド視点で見た「初動3日間→2週間の比較」で、面白いことがわかるのです。
初動対比で「口コミのパワー」がわかる
動員数の2週間成績を、公開当初の週末3日間の成績で割った平均値は約280%。つまり平均的な映画は、週末3日間から、2週間後には280%まで動員数が伸びるということですね。
平均値よりも低い映画は公開直後に観客がたくさん観に来る、初動集中型になります。「最初からその作品を目当てにした客」や「固定ファン」が多く見に行くタイプの作品です。
逆に2週間後に大きくパーセンテージが伸びているということは、公開後に動員数が増加しているということです。
つまり、評判を聞いてから観に行く人が多い、「口コミ型」作品といえます。
『ボヘミアン・ラプソディ』の初動対比
さて、『ボヘミアン・ラプソディ』は週末3日間の初動から、2週間後にどれくらい伸びたのかというと……
なんと初動対比409%!
平均値が280%とすると、これは圧倒的な数字です。
『ボヘミアン・ラプソディ』の評価を伸ばしたのは、ツイッターや映画批評サイトなどでの口コミ。
Yahoo!映画の『ボヘミアン・ラプソディ』の評点はなんと4.67点! 9,431件ものレビュー数がある中で、76.7%の方が5点満点をつけています。
チケット予約アプリ「映画ランド」での評点も、5点満点中4.6点(329レビュー)となっており、ほとんどのレビューサイトで絶賛の口コミがあいついでいるのです。
ちなみに、過去作品で初動対比を大きく伸ばした『グレイテスト・ショーマン』は、初動対比366%。これでも驚愕するべき数字なのですが『ボヘミアン・ラプソディ』は更に大きく上回っていることになります。
映画もネット口コミの時代へ
誰もが知っている超大作でなくても、口コミによって大幅に動員数が伸びる可能性があります。『ボヘミアン・ラプソディ』以外にも、『バーフバリ 王の凱旋』や『カメラを止めるな!』など、口コミで大幅に動員を伸ばした作品はどんどん増えています。誰でもネットで気軽に情報を発信できる時代だからこそ、口コミのパワーは、今後ますます注目が高まっていくでしょう。