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コラム 2024年6月10日

大人だからこそ見る、最新アニメトレンドを分析

一昔前のアニメ映画と言えば、いわゆる「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」などの子供作品やディズニー、ジブリ作品などファミリー層が中心でしたが、今は大人でもアニメやマンガを見るのが当たり前となり、映画館で公開される作品は多様なジャンルのアニメが急増しています。中には興収10億円を超えるスマッシュヒットとなる作品もあります。

6月10日発表の週末動員ランキングでは、青年向けアニメでTVアニメ放送を再編集した『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:』が初登場1位を記録しています。

今回のコラムでは最近のアニメ映画事情をご紹介します。

アニメ映画が好きなのは若者世代だけではない!?

特に邦画アニメはこの数年、公開本数が増え続けており、今年の下半期だけでも20本以上のアニメ映画が予定されています。興行収入が数十億円を超える大ヒット作品の多くがアニメであり、映画興行の状況は大きな変化を見せています。
以前弊社が行った、「世代別の映画ジャンルの好み」についての調査でも面白い結果が表れています。

 

 

この調査では、「邦画実写」、「邦画アニメ」、「洋画実写」、「洋画アニメ」の中から最も関心の高いジャンルを回答していただいています。
やはり10代、20代では「邦画アニメ」の関心が最も高く、10代で39%、20代では30%の割合となっています。一方ディズニー作品など、以前なら人気も高かった「洋画アニメ」の関心は低く留まっています。
注目のポイントはそれ以上の世代で、30代では31%と「邦画アニメ」がトップ、40代でも「邦画実写」と並んで「邦画アニメ」が最も大きな割合を示しています。アニメ=子どもや若者のものという認識はすでに過去のもの、今は大人こそ映画館でアニメを観る時代なのです。

ライブを楽しむアニメが増加。応援上映も人気に。

(C)BNOI/劇場版アイナナ製作委員会

昨年公開された『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』は興収30億円を超え、この種の作品では異例ともいえる大ヒットとなりました。この映画の特徴はストーリーものではなく「音楽ライブを楽しむ映画」だったことです。公開中には応援上映など様々な工夫が盛り込まれ、3ヵ月近く高稼働が続くロングラン上映となりました。公開1年記念の再上映も高稼働し、週末動員ランキングでも再ランクインするなど、根強い人気を見せています。
音楽ライブ映画の先駆け的な作品となったのが『うたの☆プリンスさまっ♪』の劇場版シリーズ。ストーリーをあえてなくし、全編キャラクターが観客を前にライブをしているスタイルを確立しました。この音楽ライブ映画シリーズは1作目が興収18億円、2作目が興収23.5億円と大ヒット。3作目となる『QUARTET NIGHT編』の制作も発表されており、まだまだうたプリ旋風は続きそうです。

 

小規模でも高稼働。TVシリーズとの連動

(C)2018 鴨志田一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project

漫画連載の後にテレビアニメ、そして映画化という流れは定番であり、「鬼滅の刃」などビッグヒットとなっている例は数多くありますが、小規模でも高稼働するTVアニメの続編や、スピンオフ映画にもぜひ注目してみてください。
たとえば、ライトノベル原作・TVアニメ放送後にアニメの続きを3作に渡って劇場版アニメ化した「青春ブタ野郎」シリーズでは、1作目の『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は上映劇場31館という小規模作品でしたが、動員34.5万人、興収5.1億円と高稼働しました。続編2作も高稼働となり、小規模ながらも人気映画シリーズとなりました。
その他の話題となった例として『映画 ゆるキャン△』があります。121館という小規模公開ながら、動員69万人、興収10.8億円と超高稼働。TVアニメの数年後、主人公の各務原なでしこと友人たちが大人になった姿を描く劇場版オリジナルストーリーも話題になりました。特に初動の勢いがすさまじく、初動3日間で25.1万人を動員。その週のランキングで3位にランクインする盛況となりました。

 

映画先行上映⇒地上波放送パターンも増加

(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

最近では放送予定のTVアニメを、先行して劇場版として上映する取り組みも増えてきました。昨年放送された「【推しの子】」のTVアニメは、拡大放映版1話を『【推しの子】Mother and Children』で限定上映。全国50館、3週間限定という条件ながら、約2万人を動員し興収1.2億円をあげました。6月にも再びDolby Cinema版を含み再上映されています。TVアニメの先行上映ながら作品評価も高く、高稼働となりました。

(C)Bandai Namco Entertainment Inc.

先行上映→TVアニメ放送の施策を続けている作品もあります。「アイドルマスター」のTVアニメでは「アイドルマスター ミリオンライブ!」、「アイドルマスター シャイニーカラーズ」共に、TVアニメ全12話を4話ずつ全3章に分けて先行上映。2024年には『アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd Season』の先行上映も予定されています。
映画館先行上映は、地上波放送を盛り上げるキャンペーン要素もあるかと思いますが、観客にとっても「先に観られる」「大画面・音響で観られる」以上のメリットがありそうです。

 

人気アニメのスピンオフ・番外編映画が話題に

(C)金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会

人気アニメのスピンオフ映画も、高稼働作品が多数生まれています。2024年公開作品では、人気サッカーアニメのスピンオフ映画『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』が高稼働。週末ランキングはGW映画の競合が多い中、初登場2位を記録。累計動員は100万人を超える大ヒットとなっています。
スピンオフ映画では他にも2022年の『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』などがあります。応援上映の先駆者である『KING OF PRISM』シリーズも、元々は女児向けアニメ「プリティーリズム」のスピンオフから人気が出て単独シリーズとなりました。

(C)尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会

人気アニメの番外編作品でこれから注目なのは、12月公開予定の『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』。人気キャラ土井先生がメインとなる作品になるようです。忍たま乱太郎と言えばNHKで長年放送されてきたご長寿アニメ。ファミリー向けのコンテンツというイメージがあるかもしれませんが、今では女性人気がすさまじく、大人ファンが急増しています。果たして子供が多いのか大人客が多いのか。実際に上映されるまでどの程度の比率になるかはわかりませんが、「大人向けアニメ映画」としてのポテンシャルは十分にありそうです。

 

勢いの止まらないアニメ業界。背景には深夜帯にやることが多い青年向けアニメが、配信サービスの利用拡大により好きな時間に視聴できるようになったこともあるでしょう。一部のコアなファン向けだったコンテンツが誰にでも見られるようになったことで幅広い客層に認知されるようになったのは、大人向けアニメの転換点であるように思います。

この先も期待のアニメ映画の上映が続々と予定されています。ぜひチェックしてみてください。

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